ブックタイトル甲斐適生活応援ガイドブック 山梨Life 08

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概要

甲斐適生活応援ガイドブック 山梨Life 08

 お二人の住まいは、築120年とも言われる古民家。考えた末、電気は入れたものの、ガス契約は見送って、煮炊きや風呂は薪ですることに。また、できるだけ自分たちの手で作ったものでお客さんをもてなしたいと、田畑を借りて米や野菜も作り始めました。「近所の方から旬のお野菜をいただくことも多いので、野菜はほとんど買う必要が無いくらい。珍しい作物をいただいて、何を作ろうと考えたり、調理方法を地域のおばあちゃんに教えてもらったりするのも楽しいですね」と博子さん。宿泊客にも、「上げ膳据え膳どころか、一緒に農作業をして、収穫した野菜を使って一緒に料理してと、私たちの暮らしをそのまま体験してもらっている」とのことで、田舎暮らしに興味のある人が体験に来たり、リピーターが増えたりして、民宿業も軌道に乗りつつあります。 また、「地域の人と集える場所を」という想いを胸に、移住以来いくつもの企画も開催してきたお二人。「地域のお年寄りと話していると、昔はこんな祭りがあったとか、あんなことをしたという話が出て来るんですよね。少し寂しそうに話すおじいやおばあを見ていると、やってみようかなという気持ちになる」そうで、お祭りや味噌づくり、ゆず餅つきなど、お年寄りの話をヒントに、地域の方々の力を借りて開くイベントも恒例となりつつあります。「ここは人口40人程度の小さな集落で、良い意味でも悪い意味でもプライベートが無い。でも、そこがいいんですよ」と目を細める宗一郎さん。その表情から、求めていた暮らしが実現できている満足感が伝わってきました。忙しいけれど、とても楽しい。これが私たちが求めていた暮らしYamanashi LIFE「私たちがここで暮らすことが、少しでもこの地域のプラスになるのなら、それはとても幸せなことですよね」と博子さん。「昨年は、移住地探しの道程で一泊したご家族が、すっかりこの地域を気に入り、翌月に移住してきてくれたんです」と、嬉しそうに話してくれました。台所のかまどとロケットストーブ、ソーラークッカーを使って調理。「お湯を沸かすにも時間がかかり、毎日がとても忙しい。僕らの田舎暮らしは、スローライフとは無縁ですよ」なんてこぼしながらも、その顔には満足感が。移住して丸3年。山口さん一家が呼び水になったのか、子育て世代の移住者が増えている高下地区。取材の最中にも、同世代の移住者ママが遊びに来ました。地域の方も、宿泊者も、みんな一緒に楽しむイベント。いつもは静かな高下地区に、笑い声があふれます。7