北杜市
渡邉丈夫さん(61) 清美さん(54)ご夫妻
千葉県流山市と北杜市の二地域居住が始まってから2年半が経過。平日は仕事で忙しい時間を過ごす渡邉さんにとって、休日に山で過ごす時間はリフレッシュのために欠かせないものとなっている。叔母が富士吉田市に住んでいるため、もともと山梨との縁が深い。これから先も足繁く通いたいと目を輝かせる。
山が好きで、動植物の勉強も欠かさない渡邉さんご夫妻。故郷のように足繁く通う“週末の住まい”で自然を体感し、学んでいます。
「とにかく昔から山が好きで、自然溢れる森が好きだったんです」。以前から休暇などで山梨を訪れ、自然の中を散策するのが大好きだった渡邉さん。そして一緒に歩くうちに、その魅力に気付いた妻・清美さん。
「この家へ来てまず最初にするのが深呼吸。真っ先に体の中の空気も毒素もすべて吐き出して、ここの空気と入れ替えるんです」と清美さん。標高1200メートルの澄んだ空気が胸いっぱいに詰まると、それだけで癒されるそうです。いつもご夫妻と共に過ごしている愛犬・龍太君も、ここに来ることでストレスがなくなるのか、普段より元気になるといいます。「ここでもいつもと同じように炊事やお洗濯もするんですが、何だか場所が違うだけで特別なコトみたいに感じてウキウキするんですよ」ととても嬉しそうでした。
普段は千葉県流山市にお住まいで、忙しく仕事をされている渡邉さんには、週末のプライベートタイムの癒しが欠かせないものになっています。「仕事が忙しくてあまり来られない時は、仕事の合間にインターネットでこの辺りのライブカメラを眺めています」と照れくさそうに、この家への愛しさを語っていました。今の天気は?気温は?など、気持ちはいつもこの家と共にあり、気になってしょうがないそうです。
一年を通して、可能な限り週末や大型連休などには北杜市の我が家へ向かいたいという渡邉さんご夫妻。車なら2時間半ほどで到着する近さもポイントです。
森林インストラクターの資格を目指して歩んでいく
今年、森林インストラクターの一次試験を見事パスした渡邉さんの嬉しそうな様子を眺めながら、「私も森林インストラクターに合格したいと頑張っているんです。東京での集中講義や講習会などに参加したり、森林研究所で話を聞いたりするのもとても楽しいの」と清美さん。
「森の勉強は、ここまで学んだら終わり、ということがありません。森の中や棒道などを散策すると、歩いているだけでたくさんの発見があるから本当に奥が深いです。以前は近場の渓谷や峠などにも興味がありましたが、今はこの家の周りを散策するだけで十分満足してしまうので、そう遠くまでは出掛けなくなりました」。ただ歩くだけの散歩ではなく、あの鳥がいるということは、この辺りにこういう動植物がある、などと考えながら歩くのがとても楽しいそうです。
自分の家を建てるためとはいえ、森を拓いてしまったことに心を痛め、家を囲むように木を植えた渡邉さんご夫妻。「何年掛かってもいい。この地に合う植物かどうかを見極めながら、少しでも、元の『森』に近づけたくていろいろ植えているんです」。
しかし、家のすぐ脇にイノシシの通り道があることに気付いたのは植樹の後でした。せっかく出てきた新芽が何種類か食べられてしまったこともありました。でも、それも含め、森の中での生活を大事にしていきたいのだそうです。渡邉さんご夫妻の“休日ライフ”は、これからもずっと「森の動植物たちとの共存」として続いていくことでしょう。
リビングでのホッとするひととき
仕事の疲れもリセットしてくれる
やすらぎの空間
山を散策する時はいつも
愛犬・龍太君と一緒
慣れた手つきで薪割りをこなす
フィールドスコープで野鳥を
探すのも楽しみの一つ