甲州市
細川順一郎さん(40歳)稚子さん(38歳)
静岡県浜松市出身。2010年3月に甲州市に移住。奥野田葡萄酒醸造でブドウの栽培を中心に、ワインの仕込みなどにも取り組んでいる。奥野田葡萄酒醸造では栽培倶楽部や収穫会なども開催。「ぜひワイナリーに遊びに来て、僕たちの思いとともにワインを味わってみてください」とのこと。
【奥野田葡萄酒醸造】http://okunota.com
山から一面に広がるブドウ畑が、四季折々に美しい姿を見せてくれる甲州市塩山牛奥。その地でブドウの栽培から取り組んでいる奥野田葡萄酒醸造のワインと畑に惚れ込み、新たな道に飛び込んだ細川順一郎さん。家族とともに移り住み、畑でブドウと向き合う日々を送っています。
もともとは静岡県浜松市でエンジニアとしてIT企業で働いていましたが、ワイン好きが高じてワインショップで働くようになり、さらにワインバーのソムリエをしていたという細川さん。
休みのたびに山梨を訪れ、ワイナリーで収穫や仕込みの手伝いもするなど、山梨はとても身近で特別な地だったと言います。当時は山梨に移り住むまでは考えていなかったそうですが、4年前、奥野田葡萄酒醸造を初めて訪れた時、その思いががらりと変わりました。
「畑を見せてもらうと、今まで見た畑の中で群を抜いて素晴らしく、社長の理念を感じました。そこから生まれるワインももちろん素晴らしく、すごく心に響くものがあったんです」。
それを機に奥野田葡萄酒醸造で働くことを決断。どうしてもこのワイナリーでワイン造りに携わりたいという熱意は社長にも伝わり、栽培担当として新たな生活をスタートさせました。
子どもにとってはこの地のすべてが遊び場
細川さんの転身とともに、生活が一変したのが奥様と息子さんです。
「山梨には一緒によく来ていましたが、まさか移住するとは考えていなかったので、それはもう反対しましたよ。でも主人の熱い思いとこの雄大な自然の魅力に負けました」と奥様は笑顔で当時を振り返ります。
息子さんの小学校入学に合わせて移住し、その息子さんももう3年生になりました。
「この地は子どもにとってもいい環境だなと、住んでみてあらためて思いますね。僕らが子どもの頃に遊んでいた懐かしい風景が、ここにはあるんですよね。子どもには自然あふれる山梨の地すべてが遊び場です」という細川さんの言葉にうなずく奥様。息子さんの笑顔からも、のびのびと育っている様子が伝わってきます。
自然に果物にワイン、山梨の魅力をもっと広く伝えたい。
「僕の人生で自然を相手にする仕事は初めてですが、陽の光を浴び、自然を肌で感じながら働くのはいいものですね」と生き生きとした表情を見せる細川さん。
そんな充実した日々を過ごす中で、最近あらためて感じていることがあります。
「この山梨の地がもたらしてくれる自然の恵みのありがたさ、チャンスを与えてくれた社長への感謝をすごく感じています。それと僕のやりたいことを思うようにやらせてもらい、そこに家族がいるということを何より幸せに思いますね」。
また自然と向き合う中で、山梨への思いも強くなっているといいます。「四季折々に美しい姿を見せてくれる自然をはじめ、その自然がもたらしてくれる果物や野菜、ワインなど、山梨にはたくさんの魅力があります。その魅力をもっと広く伝えていきたいなと思います。ワイナリーはそんな魅力を体感できるもののひとつ。ぜひ多くの方に遊びに来てもらい、それを機に山梨をもっともっと知ってほしいですね」。
最後に夢について伺うと、「人に感動を与えられるような、心を動かすようなワインを造っていきたいです」と目を輝かせた細川さん。そのワイン造りへの熱い思い、そして山梨を思う気持ちは、奥野田葡萄酒醸造を訪れるお客様にもきっと伝わっているはずです。
奥野田葡萄酒醸造オリジナルのTシャツは、社長の奥様が描いたワインのラベルにも使われている蝶を使い、細川さんがデザインしたもの。
細川さんがブドウの栽培から醸造まで携わっている奥野田葡萄酒醸造自慢のワイン。
畑は細川さんの仕事場。農繁期には日の出とともに作業が始まります。
ソムリエでもある細川さん。
元気はつらつ、耕太郎くんは9歳。
お父さんからブドウの勉強。
朝日を浴びて黄金に輝くブドウ畑。