結婚前から、「ゆくゆくは自然がある場所で暮らしたいね」と話していたという泉翔悟さん、絢菜さんご夫妻。パシフィコ横浜や東京国際フォーラムで開催される田舎暮らし関連のイベントに遊びに行くこともありましたが、「絶対に移住しようと決めて場所探しをしていたというよりは、勧められた場所を見てみて、良さそうなら移住してみればいいし、無理そうだったら神奈川に住み続ければいいくらいの緩い気持ちでした」と振り返ります。
転機は、2018年の10月に「地域おこし協力隊」の存在を知ったこと。「仕事への不安が大きく一歩を踏み出せずにいたのですが、地域おこし協力隊に採用されれば、最大3年間は仕事と収入が保証される。チャンスだと思いました」。早速、ツイッターに専用アカウントを作成し、全国で活動中の地域おこし協力隊員をフォローして、情報を集め始めた翔悟さん。実情を探ろうと、『協力隊の仕事って、大変ですか?』、『面倒なことはないですか?』などと直接話しかけてみましたが、不安になるような悪い反応はほとんどありませんでした。安心した翔悟さんは、絢菜さんの後押しもあり、すぐさま行動に移すことに。場所へのこだわりがなかったため、総務省のホームページの求人情報から、双方の実家から遠くなく、活動内容にも魅力を感じた案件をピックアップし応募したところ、韮崎市に採用が決まり、2019年6月に着任しました。現在は親子3人、市内のアパートで暮らしています。
人とのつながりが、自分の可能性も
広げてくれる、やりがいのある仕事
現在は、韮崎市役所総合政策課に所属しながら、NPO法人「河原部社」のスタッフとして、同社が受託運営している青少年育成プラザ「ミアキス」の中高生サポーターと、ウェブメディア「にらレバ」の記者をしています。 勤務はシフト制で、週5日、14時から21時45分にミアキスに出勤することになっていますが、必要とあれば時間外に取材に出るなど、フレキシブルな対応を認められています。
「ミアキス」も「にらレバ」も、これをやればOKという決まった業務があるわけではないので、中高生とのかかわり方にしても、発信する内容にしても、常に自分で考えて動かなければなりません。自由度が高くやりがいを感じる反面、難しさも感じます。
NPO法人「河原部社」を起業した現代表は僕と同年代で、スタッフも皆20代。高い志を抱いた魅力的な人が集まっているので、日々刺激を受けながら、成長していけたらと思っています。僕が書いた記事も掲載されているので、ぜひご覧ください。
にらさきローカルメディア「にらレバ」
https://nirasaki.fun/
自然豊かな環境で、ゆったり
のんびり子育てを楽しむ日々
2LDK駐車場付きの市内のアパートで暮らしています。緑豊かで静かな環境にあり、すぐ裏手にちょっとした公園もあるので、妻と息子はお散歩に出かけるのが午前中の日課になっているようです。
この辺りは車が少なく、子供が急に走り出しても「ダメ!」と叱る必要がありませんから、自由に動きまわる息子の姿を安心して見守り、息子が見つけてきたドングリや木の葉を「いいもの見つけたね」「面白い形だね」と一緒に慈しんで、ゆったりゆったりと子育てを楽しんでいるみたいです。
一方で、すぐ近くにはショッピングモールがあり、相模原に住んでいた頃よりも、利便性は高いのかなとも感じます。
韮崎市周辺には広くて気持ちの良い公園がたくさんあるので、お天気の良い休日には家族で出かけることも多いですね。電車の乗り継ぎや駐車場の有無を心配することなく、とりあえず車に乗って「今日はどこへ行こうか?」と出発できるのもいい。都会で感じていた子ども連れで外出する際の諸々のストレスが一切無くなって、僕も妻も、笑顔でいられる時間が増えているように思います。
勤務中の泉さん。スタッフ会議に参加したり、学生に気軽に声を掛けたり、「にらレバ」の記事を作成したり…。
休日や平日の午前中には、家族で近くの公園へ。自然や四季を感じながら、ゆったりとした時間を過ごしている。