笛吹市
藤間光司さん(45歳) 由起さん(41歳) 渓太君(9歳) 岳太君(4歳)
東京都出身。共通の趣味のトライアルバイクを通じて知り合い、共通の知人が移住していた笛吹市芦川町を度々訪れるように。結婚後は東京で暮らしていたが、1年後に芦川町に移住。移住後に2人の子どもが誕生。毎年8月には家族で地元の釈迦ヶ岳に登るのが恒例。トライアルバイクは子どもたちも大好き。
田舎での普通の暮らしを求め、夫婦2人で移住して10年。2人の子どもにも恵まれ、家族で田舎暮らしを楽しむ毎日。奥様は今夏から、地域の魅力を伝えるツアーガイドも始めました。
知り合いが先に移住していたこともあり、結婚前から笛吹市芦川町を訪れていたという藤間さんご夫妻。「何回も通っているうちにご飯をご馳走してもらうなど地域の人たちととても親しくなり、みんなに『結婚したらこっちにおいで』と言ってもらえるようなったんです。すごく縁を感じて、結婚後1年で移住を決めました」。
もともと田舎暮らしを考えていたというお2人。でも田舎でこれをやりたいというような特別な目的があったわけではないといいます。
「観光地や別荘地ではない普通の田舎で、そこに暮らす人たちと同じように働き、考え、感じながら、呼吸を合わせて暮らしていきたいと思ったんです。畑で野菜を作ったり、家族で川遊びや山登りをしたり、地域のお祭りがあったり、ここでは当たり前の日々の暮らしの中に楽しみがいっぱいあります」。
地域全体が家族のようなつながり
「この地域は人とのつながりがすごくあって、みんな損得関係なく付き合ってくれるんです。うちはおじいちゃんもおばあちゃんもここにはいませんが、隣のばあちゃんも近所のじいちゃんも、みんなうちの子どもたちのばあちゃんとじいちゃんなんです。自分の孫のようにかわいがってくれて、地域全体が家族のようですね」。
10年の暮らしの中で、この土地の人たちの懐の深さをいつも感じてきたというお2人。特に由起さんはこの土地のもてなし上手なところをすごいと感じています。「地域のおかあちゃんやおじちゃんたちは、“おごっそう”の精神があるんです。おごっそうというのはこの土地の古くからの言葉で手作りの料理のことをいいますが、ちょっとお茶に寄っても漬物や煮物などおごっそうをいっぱい振る舞ってくれるんです。それにみなさんこの土地に誇りを持っています。もともと住んでいる人は普通のことだと言いますが、私から見るとすごくかっこいいですね」。
この土地の魅力を伝えていきたい
昔から暮らしている人は気付いていない、この土地ならではの魅力をもっと多くの人に伝えていきたい。そんな思いから、由起さんはこの夏から地域の史跡などを歩いて回るツアーのガイドを始めました。
「今春にオープンした農産物直売所で働いていますが、そこを訪れる方たちにもっとこの地域を知ってもらう機会をつくろうとツアーを企画しました。芦川の良さを知っている1人として、その魅力を多くの人に伝えられればうれしいです。それにこの10年の恩返しになればと思っています」。
山梨での10年の暮らしの中で夫婦から家族となり、その歴史を築いてきた藤間さんご一家。「これからも家族4人、今までどおり地域の人たちと呼吸を合わせて暮らしていけたら幸せですね」。そう言う光司さん、由起さんはそろってとびきりの笑顔を見せてくれました。
子どもたちも芦川の自然や人が大好き
光司さんは芦川で大工の仕事をしている
由起さんが働く芦川農産物直売所「おごっそう家」
おごっそう家ではレジも事務処理も調理もこなす
藤間家の畑で採れた野菜はおごっそう家にも出荷している
渓太君はトライアルの自転車を乗りこなす
ツアーでは由起さんが日々感じている芦川の魅力を伝えている