家の脇にあるデッキで、家族のティータイム。あたりを包む緑のグラデーションが美しい。
ペンションという夢のための移住が
今では、この地で暮らすこと自体に幸せを感じるように。
家族がすこやかでいられる自然が、何よりの贅沢です。
八ヶ岳南麓の幹線道路から近い牧場の隣、春から秋の間バラが咲く愛らしい建物は、最近まで宿泊施設だったもの。河野さんご夫妻と6歳の長女、お父さまの4人家族が今年3月に移住した住まいです。
河野さんは、特別支援学校の先生。その仕事柄、障害のある子どもたちとその保護者が、ゆったり旅を楽しめる宿をつくるのが夢でした。そして、もちろん自然が大好き。自然に包まれたバリアフリーのペンションができれば……と各地を探すうち、この建物に出会ったのだといいます。
「改装しやすさから選んだのですが、実際に暮らしてみると本当に気持ちよくて」とご主人。
ハーブや果樹を植えたり、敷地の林にハンモックを吊ったり。家族ですごす休日はいつも、楽しみでいっぱい。今では長女も自然のなかでたくましさを増し、虫やミミズもすっかり平気になりました。
これからは、自分たちの手で改装に取り組み、ペンションのオープンは2年後の予定。
「お客さまに自然に触れてもらうプランも、いろいろ考えています」と話すお2人。山梨で暮らしてこそわかる日々の発見が、将来の夢へと結びついていきます。
ステンドグラスの窓がきれいな広間は、やがてダイニングにする計画。
秋から冬の楽しみは、薪ストーブの火を囲んですごす時間。標高1155mのこの地では、暖かさがごちそう。
前のオーナーに頼んで置いていってもらったキャビネットが、窓辺のインテリアのポイントに。
建物横の雑木林にハンモックをかけて。ふかふかの落ち葉のじゅうたん、木々を渡る風…すべてが最高の贅沢。
子どももどんどんたくましくなりました
6歳になったばかりの長女に、専用の菜園をつくった。水やりや虫とりも、自らやってくれる。
道路から上がるアプローチには花の間に、ご夫妻が植えた果樹が。ブルーベリーも実をつけた。
敷地のいくつものバラは前の持ち主が丹精していたもの。今も春から秋まで順に咲いていく。
赤くペイントされたドアは倉庫の入り口。いずれは趣味を生かして音楽スタジオにする予定。
夢の実現まであと、ちょっと
ゲートには、予定しているペンションの名「Himawari」の文字が。
料理やお菓子作りが得意な奥さま。手作りケーキでのおもてなしも計画中。