高橋 伸也さん みずきさん 朔也くん
移住のきっかけ
はじまりは10年前。夫婦そろって広告業界で多忙な日々を送るなか、精神的にも肉体的にも疲れを感じ、「お金を稼ぐためではなく、生きるためにエネルギーを使いたい」と脱東京を決意。綿密な準備を重ねて自信を育み、2023年3月に念願の移住を実現しました。

甲府市街地から車で約20分。豊かな森に囲まれた千代田湖にヘラブナ釣りのボートが浮かび、里山には石積みの棚田や畑が点在する帯那地区に、高橋さんのご自宅があります。
全国を視野に移住先探しを進めていたお二人がこの地と出会ったのは、5年ほど前のこと。期待した富士山の見える南斜面とは違ったものの、どこか魅かれるものを感じて足しげく通うように。移住前から田植えや収穫祭などに参加して地域の人々と交流を深める一方、1週間甲府でホテル暮らしをしながら東京のオフィスに通勤してみるなど、生活の中で生じると想定される課題を、実際に行動することで一つひとつクリアにしていきました。そうしたなかで、何があっても大丈夫という自信が育まれ、朔也くんの小学校入学までには何としても移住したいという思いも強くなっていったと言います。
「すべてが最高!」と言い切れる、UNCAGEな毎日

移住して約2年。現在の暮らしを尋ねると、「最高です!」と声をそろえたお二人。朝も夜も窓の外に広がる四季折々の風景を眺めながら食事をし、休日には庭でキャンプやプール遊びを楽しむ日常は、この場所だから手に入れることのできた大切な時間。今や家族のような、お隣の"はるばあちゃん"に教えてもらいながらの野菜作りや柿仕事、たくあん漬けも、近くに住む同世代の3家族で自作の野菜を持ち寄り、料理しながら、ゆっくりとお酒を楽しんだりするのも、愛すべき日常の一コマとなりました。東京にいた頃には考えもしなかった豊かな暮らしを満喫していると言います。
すっかり地域の一員となった高橋さん夫妻のさらなる夢は、自宅のコンセプトでもあるUNCAGEという名の週末カフェ。自分を解放し、みんなのやりたいことも開放できる場所でありたいというお二人の願いを体現するカフェのオープンを、地域の人たちも心待ちにしています。
高橋さん夫婦のおしごと事情
《伸也さんとみずきさんの場合》
伸也さんもみずきさんも、移住前の仕事をハイブリッドスタイルで継続。伸也さんは港区のオフィスに週に2~3日、みずきさんも品川区のオフィスに週1日程度出社している。
はるばあちゃんと作った枯露柿を揉むみずきさん。
移住前から地域の田植えに参加し、すっかり"おびなー"に。
はるばあちゃんの指南のもとで畑仕事。
千代田湖に訪れる野鳥を双眼鏡で観察。